📅  2022-06-25

祝祭的表現の今昔

🔖  Stage

対照的な二つのステージ


 演劇とかコンサートとかは、以前はぼちぼちとですが観に行っていました。しかし親の介護とそれに続くコロナ禍で、今やすっかり遠ざかっています。それでも関心をすっかり失ったわけでもないので、配信とかテレビとかで観る機会があれば、多少は見聞きしています。そんなわけで、WOWOWで5月に放映された演劇作品を2つ、立て続けに観てみました。どちらも2021年の公演のものですね。

 一つは、寺山修司の天井桟敷結成前の作品(1963年)の初上演というもの。『海王星』(演出:眞鍋卓嗣、音楽監督:志磨遼平(ドレスコーズ))。寺山演劇ならではの、世俗的な悲劇のストーリーと祝祭空間との絡み合いがすでに色濃く出ている作品ですが、演出的にその祝祭感は少し「滑っている」感じもしました。音楽も、どこか古めかしく作っています。かつての天井桟敷公演でのシーザー風味や、昭和歌謡っぽさをを残していましたが、これはどうなんでしょうねえ。時代に合わせて、真新しく刷新していくほうがよいのでは、と思ってしまいました。

 全体的に、もっと凝縮してテンポも上げてほしい気がしました。2時間弱くらいでいいのでは?

 もう一つはノダマップによる『The Bee』(演出:野田秀樹)。こちらは逆にものすごい疾走感を味わえます。この季節に観ると、暑苦しさを感じるほどです。1時間ちょっとの上演時間で、いろいろな要素を詰め込んでいます。あっという間ですね。舞台の構成のアイデアも秀逸で、一人数役の切り替えなどはとても見事です。野田演劇は昔から緩急の切り替えがとても印象的ですが、今回もそのあたり、存分に楽しめます。

 祝祭、というのとはちょっと違うかもしれませんが、非日常的なものの処理が、あまりにも好対照をなしている二作品でした。

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