先駆的な傭兵漫画
昨年ヒットした『トップガン——マーヴェリック』との関連なのかどうなのか知りませんが、kindle unlimitedに新谷かおるの『エリア88』が入っていました。『エリア88』も断片的にしか読んでいなかったので、この際とばかりに通読してみました。いや〜、噂に聞く名作だけに、はまりますね、これ。
もとは1979年から86年にかけてビッグコミックで連載されていた漫画です。傭兵にされてしまった主人公の復讐譚になるのかと思っていると、序盤は傭兵たちの群像劇という感じで、中盤以降、登場人物たちの様々な因縁が絡み合う政治的な話になっていきます。ミッションも多彩になっていき、がぜん面白くなっていきます。『マーベリック』に出てくる、狭い渓谷を突き進んでいくようなミッションも、9巻あたりに出てきますね。
そして終盤は、国際政治の話になっていきます。そこに復習譚が絡んでいくという感じです。残念ながらkindle unlimitedになっているのは全巻ではなく、17巻までなのですが(全23巻)、クライマックスの手前までなので、ついつい残りも購入してしまいました(笑)。
全体としてバブリーな日本の一時代を背景とした作品ではありますが、傭兵の悲哀や機微、競争心、恐怖などの描写は、なかなか先駆的だったのではないかと思いますね。今読んでもとても面白い作品になっています。