ちょっと残念な「エブエブ」
ミシェル・ヨーの主演女優賞のほか、作品賞を含めアカデミー賞を文字通り席巻した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ですが、個人的には残念だったなあという気がしてなりません。「ミシェル・ヨー姉御の主演で観たい映画はこれじゃない感」が半端ない感じです。ま、もちろんいつまでもアクションスターとしてだけやっていくのも、無理筋かもしれませんが……。
前半はスベっていたと思います(こちらのリファレンスの引き出しが足りないからかもしれませんが)。で、後半は少し持ち直しましたが、落とし所がちょっと微妙。もともと、とてもぶっとんだ内容ですが、SFとして見ればそれなりではあります。ネットではすでに『銀河ヒッチハイクガイド』などが引き合いに出されたりしていました。しかし「エブエブ」は『銀河ヒッチハイクガイド』(またはそれ以上?)になりきれていなかったのが残念なんですよね。そう、家族の話に落とし込んでいるところが、ちょっとなあ……。もとからぶっとんでいるのなら、そこで小さくまとまらなくてもいいじゃないの、と思ってしまったのでした。